【十 重 禁 戒 (じゅうじゅうきんかい)】
-真の[安心]と[幸福]に向かう、十の禁戒と生き方指針-
◇お互いに、安らかでおだやかな日々を送り、人間として生まれてきた価値を見いだす軸◇
○禁戒:不安不幸を増長する、すべきでない事の指針
○生き方:四無量心[慈悲喜捨]の各要素を基礎とした安寧軸の指針。
一.不殺生戒(ふせっしょうかい)
≪いのちを敬う(尊厳と敬虔)≫
◦禁戒:他者を想うことなく身体や精神を痛めること。また自らの身体や精神を労らず痛めること。
◦生き方:[無量]常に四無量心を意識し、自らを含め、全ての存在へ尊厳を保つべく救済する。
二.不偸盗戒(ふちゅうとうかい)
≪真の幸福(寄り添いと分かち合い)≫
◦禁戒:他人の財物を盗むこと。相手の喜びや安心の日常を奪うこと。自ら沸き出る想いの無視や排除押し込めなど。
◦生き方:[悲]分かち合いの心から、自らを含め全ての存在における幸福への進行を助ける。
三.不貪婬戒(ふとんいんかい)
≪真実の愛(調和と保護)≫
◦禁戒:淫欲による執着心から、調和を乱し、身心両面へ傷みを与える行為をすること。
◦生き方:[捨]偏らない心から、人を清らかにし調和を導く。
四.不妄語戒(ふもうごかい)
≪愛をこめて話し、深く聴く(思慮と理解)≫
◦禁戒:偽りを有した話し方聞き方で、不安や怒りを与えたり騙す言葉を発すること。
◦生き方:[慈]思いやりを根源とした話し方聞き方から、偽りなく本質的な安心を与える。
五.不酤酒戒(ふこしゅかい)
≪心と体の健康と癒し(労わりと選択)≫
◦禁戒:お酒やドラッグなど、三毒[貪瞋痴]に陥りやすいものを過度に摂取する。また受容から離れ自分を労わらないこと。
◦生き方:[喜]自分への深い受容共感を基礎として健康を築く。
六.不説過戒(ふせっかかい)
≪良縁へと向かう対話≫
◦禁戒:他者への反発や排他的な心を元にした言葉を発すること。
◦生き方:[喜]他者への深い受容共感により良縁を築く。
七.不自讃毀他戒(ふじさんきたかい)
≪感謝に基づく想いの伝達≫
◦禁戒:縁によらず自らの力によって功を成したという認知のゆがみにより、他者への思いやりを欠き自らを誇示する言葉を発すること。
◦生き方:[慈]全ての物事が奇縁によって進んでいるという深い認知によって沸き出る感謝に気づいている。
八.不慳法財戒(ふけんほうざいかい)
≪平和軸に沿う非差別な授与≫
◦禁戒:必要な者へ物品や知恵を提供しない。または惜しむ心を持つこと。
◦生き方:[捨]良縁へと向かう選択軸を有し、差別せず見返りを期待せず与える。
九.不瞋恚戒(ふしんいかい)
≪安寧種の育成≫
◦禁戒:自らのネガティブの種を怒りに変えることで、我を忘れる心を持つこと。
◦生き方:[悲]全ての存在に安らかさが根づくべく成長を見守り施す。
十.不謗三宝戒(ふぼうさんぽうかい)
≪健やかさへの誓願に基づく生活≫
◦禁戒:仏(世界の真理)、法(真理の教え)、僧(存在の全て)の三宝を大切にしないことで、本質の安らかさと幸せに向かわず、守り信じる者への批判の心を持つこと。
◦生き方:[無量]仏法僧の三宝を大切にし、全ての存在に本質の安らかさと幸せを伝えていく。
※【 四無量心(しむりょうしん)[慈悲喜捨(じひきしゃ)] 】言葉と意味
◦「無量」:救済心。誓願。命への尊厳と敬虔を根元とした営み。
◦「慈」:慈愛心。与楽。思いやりを基礎とした楽しみや安らかさを積極的に与えること。
◦「悲」:同情心。抜苦。苦しみ悲しみに寄り添い分かち合うこと。
◦「喜」:共感心。受容。相手を深く信じ喜びに共鳴すること。
◦「捨」:無執着心。非差別。平静で偏らない心を基礎とした想いや行動。
※[十の禁戒]と三毒(さんどく)的営み[身口意(しんくい)]との関連
◦「身」:身体に関わる戒[一、二、三、五]
◦「口」:言葉に関わる戒[四、六、七]
◦「意」:心に関わる戒[八、九、十]
*仏の教えにある《十重禁戒》の内容を、安寧軸で生きる指針となる言葉で表しました。尚、一から五の生き方表題は、ティク・ナット・ハンが、仏の教え[五戒]の内容を分かりやすい文章にした《5つのマインドフルネス・トレーニング》より引用しました。一から五のカッコ内と六から十はオリジナルです。
*[お互いに.....]は《曹洞宗宗旨》の一部です。